施術への想い THOUGHT
厚生労働省による最新の調査によると、2017年に精神的なお悩みで不調を感じ病院を受診された患者数は127万6000人と過去最多を更新しました。このデータにはとても驚きますが、病院に通っている方たちは、今どんな生活を送っているのでしょう?
何種類もの薬を飲み続け、飲み忘れると不安に駆られ、症状が変わらなければ量が増える。また、薬の副作用や離脱症状に悩まされ続けている方もいらっしゃると思います。出口の見えない暗いトンネルの中を歩いているような辛い思いで毎日を過ごされている方も多いのではないのでしょうか。
そんな中で昨今、日本では非常に東洋医学が注目されています。関東関西の大きな病院では、鍼灸院の併設が非常に増えました。検査はしたが原因不明など、西洋医学では治りにくいストレス性の疾患が増え、東洋医学との融合が進んでいます。本当の健康とは何か、自分の持って生まれた治癒力を大切にしたい、そう多くの方が考えはじめた今、これから益々さまざまな分野で東洋医学の思想が求められていくでしょう。
その考えの一つとして、西洋医学では病を“悪”と捉えますが、東洋医学では病を“善”と捉えます。体調が悪い=バランスが崩れたサインとみなしますので、それらを回復していく事によって、より良いからだが作られると考え、善と捉えるのです。
鍼灸と聞くと、痛みへ対してのアプローチが多くの方に知られていますが、実は、体表にあるツボに働きかけることによって心身のバランスを整え治癒力を上げ、からだ全体の調和を図ることこそが非常に得意とする分野です。わたしは、常に鍼灸の大きな魅力の一つでもある“未病先方”を考え、薬に頼らずつよい身体をつくるお手伝いをしたいと思い長年勉強をしております。
「健康とは守るものではなく、目指すもの」であると私は考えます。生命力に満ち溢れたからだを一緒に目指しましょう。どんな時も、患者様に寄り添う温かい院を目指しております。








西洋医学と東洋医学の違い DIFFERENCE
私たちの生活は豊かになるにつれ、生活習慣や働き方、食べ物が大きく変わりました。そして、季節の変化や日常の変化に対応できず、原因不明と言われる病に悩まされている方が増え続けているのが現実です。私たちは自覚症状ばかりに目がいきがちですが、目には見えない五臓六腑を見直すことが必要だと考えております。
西洋医学 (病院) | 東洋医学 (鍼灸、漢方) |
|
---|---|---|
診立て方 | “西洋医学=部位医学” 身体を部位でみるため、 不調の部分によって科が違う 検査結果の数値と画像での状態を重視 | “東洋医学=バランス医学” からだ全体をみる 五臓六腑で、 症状の背景にある体質や生活習慣を重視 |
内容 | “対処療法” 異常が起きている部分を 薬や手術で治療 | “根本療法” なぜそうなったのか根本を見直し、 バランスを整え、治癒力を強化 |
処方 | “科学の力” 化学薬品やホルモン剤 | “自然の力” 植物など自然由来の生薬 |
気血水と五臓六腑 LIFE FORCE・BLOOD・COLOURLESS BODILY FLUIDS、FIVE ORGANS
科学的な検査はありませんので、東洋医学の基礎である四診がとても大切な判断材料となります。
四診とは、
問診
自覚症状、不調の始まりから現在の状態はもちろん、生活状態、食べ物の好みなど会話の中から判断すること
切診
直接触れての脈診や腹診から判断すること
聞診
聴覚や嗅覚から判断すること
望診
顔色や舌、目、爪など見て判断すること
この四項目です。これらを基に、五行説へと当てはめていきます。
まずは、私たちのからだにおいて重要な働きを担っているのが、“気血水”となります。

気
生命エネルギー。全身の各機能を動かし生命活動に最も重要な役割を果たす
血
主に血液。各器官に栄養や酸素を送る他、精神面を支えてくれる
水
血液以外の水分。からだを潤し体温調節を行う
この三つがからだを構成していると考え、これらはお互いに支え合いその機能を発揮していますが、一つでも滞ると全てのバランスが崩れ不調の始まりとなります。
そして、この三要素を体内で生み出し育み巡らせているのが「五臓六腑」です。
気血水を生み出し蓄えるのが「五臓」食べ物を食べ栄養吸収を行い排泄する働きが「六腑」です。五臓は、西洋医学の内臓とは少し異なり、からだの機能を五つに分類し、それぞれが助け合い抑制し合ってバランスを保っています。からだからのサインをしっかりとキャッチしてあげることが、とても大切な一歩となります。

副作用について SIDE EFFECTS
一般的に副作用はないとされていますが、患者様の状態により稀に、倦怠感、眠気、症状が一時的に強く感じる場合がございます。これを瞑眩(めんげん)といい、約一日程度で消失します。回復していくための一時的な反応ですが、心配なことがございましたらお気軽にお話ください。